インターンから生まれる自主性について

渡邊樹/慶應大学法学部法律学科/2020年7月登録/東京都出身

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スターを目指すサクラスの学生インターンが、同僚のインターンに対して、同じ目線からインタビューをしていく。

今回は新入りインターンの藤井亜実が渡邊樹さんに話を聞いた。渡邊さんは現在大学で刑法を学び、就活もしながらサクラスで働いている。今回は渡邊さんがサクラスのインターンを通じて学んだこと感じたことを聞いていく。

(写真は全て渡邊さん本人に提供して頂いた)


ーーなぜインターンを始めようと思ったのですか?

 一番の理由は、インターンを通して「学生時代に力を入れたこと」、いわゆるガクチカを作りたかったからです。これまでもガクチカはありましたが、コロナ期間にバイトやサークル活動が無くなってしまったこともあり、ガクチカの幅を広げたいと思って応募しました。


ーー今サクラスの会社でどのようなことをされていますか?

 サクラスでは出版社さんなどエンタメ業界のお客さまから、漫画や小説といった作品の存在を広めたいという依頼を受けていますが、その中で自分はSNSやYouTubeなどのデジタル媒体を使って広告配信し、その配信結果などをまとめて報告するといったことをしています。


ーーインターンを初めてみてどうですか?

 自分の得意領域だと思っていた部分にまだ伸びしろが有り、少しずつですが長所を伸ばすというようなことができていると感じています。

 もともと自分は物事に受け身ではなく、どちらかというと自分からすすんで好きなことを頑張るタイプでした。例えば、大学ではアルティメットというスポーツを始めて、2年間目標に向かって一生懸命練習をしたり大会に出たりという活動を続けてきました。つまり「好きなことに打ち込む」というということについては、これまでもそれなりに得意領域だと考えていました。

 しかし、仕事での「自主性」はそれだけでなく責任が伴います。今サクラスの仕事で任されている、漫画をSNSで広めるお仕事などは、アルティメットのように自分が好きで始めたこととは異なり、誰かからお金をもらってプロとして責任を果たさなければいけない事柄です。

 仕事の場合には、物事を自分で選んで始める自主性というよりも、誰から言われて始めたことだけどそれに対して自分から能動的に動く自主性が重要だと感じます。


ーー与えられた仕事であっても、受け取った以上は自分から積極的に動くということが大事なんですね

 そうですね。例えばSNS広告では配信設定というか、誰に広告を配信するかをターゲットリストというものを作って指定するのですが、初めて自分が作成したターゲットリストは、ただ仕事を「こなした」レベルのものに留まってました。過去リストの見様見真似で、前例をコピーしたようなクオリティのものを提出してしまった。

 そのときに池上さん(サクラス社長)に言われたことが「刺し身にタンポポを乗せるような仕事を期待しているわけではないからね」ということでした。つまり、流れ作業をしていてはいけない、と。

 最近は仕事にも大分慣れてきましたが、慣れてきたからこそ流れ作業になっていないか、「流し」たり「こなし」たりしていないかを気をつけています。ターゲットリストについては最近も作成する機会がありましたが、前回キャンペーンで使用したターゲットリストに自分なりに考えてキーワードを追加してアップデートしたところ、KPIの向上に貢献することができました。

 レポートではキーワードごとに動画再生率の結果が出ますので、わずかでも自分が貢献できたことが数字でわかるのは嬉しいですね。


ーー社会人の方からの依頼に対して、学生でも価値が出せるものでしょうか?

 先月、池上さんに呼ばれて社会人の方々との会食に同席させてもらいました。そこで言われたことは、「学生という視点からしか気づけないようなこと、知らないことを伝えるのも立派な仕事」ということでした。その方はいわゆる総合広告代理店の方だったのですが、実際にそ時も、今学生の間で流行っているアニメ・ドラマやその理由、学生のSNSの使い方などをお話ししたら興味を持っていただけたように思います。


ーーなるほど。学生ならではの領域で勝負するというのもひとつですね。

 いつも使えるとは限らないですけど、会食などの場では有効だと思います。社会人の方と同じ土俵で勝負しても仕方ないので。自分ならではの付加価値というのは、インターンを始めてとても意識するようになりました。

 もちろん、先ほどのターゲットリストなどでは、学生の自分が情報優位な領域とは限りません。それでも自分なりの付加価値を出すことはできると考えています。例えば少女漫画を担当した時などは、ファンの人たちがツイッター上でどんな投稿をしているかやその人達のプロフィール欄がどんなかを調べて回りました。

 こうしたリサーチは社会人の方でも出来ないことではないとは思いますが、日頃からSNSを使っていて時間もある自分たちの方が付加価値を出しやすいやり方のように思います。


ーーサクラスのインターンでは比較的マニュアルが充実していると聞いたのですが、こうしたことはマニュアルに書かれているのですか?

 書かれてないですね笑。広告事業のマニュアルは基本的な操作方法や(事故防止の観点などから)絶対にしてはいけないことが書かれているだけで、それでも100ページ以上に及びます。 池上さんからは、「自分はまだ未熟だ、とわかっているときこそ、せめて当たり前のことは完璧にするように」と言われます。ターゲットリストで言うと、スプレッドシートの見た目を整えるとか、初めて見た人でも情報源がわかるように書いておく、とかそういうことですね、例えば。こういうことはマニュアルにたいてい書いてあります。


ーー当たり前のことを当たり前にやることも、難しいことなのですね

 そう思います。自分は、自分ならではの付加価値を出すことを大切に考えていますが、それは当たり前のことをやった上での話です。初めは社会人の「当たり前」の基準を把握することが必要です。

 当たり前のことが一定のレベルでできるようになると、ちょっとした時にも、周囲の役に立つことができるようになります。サクラスでは週2回オンラインで「朝礼」がありますが、あるときチームで成果を出す方法を議論していたことがありました。当時、所属していたチームNはポイント数(注:社内の評価指標)で他のチームに少し負けていたのです。その時自分は「宙に浮いている」可能性のある具体的な案件Aの存在に気づき、その案件をチームで引き取ることでポイント数を増やせないかということを提案しました。それ以外にも今後メールの同報(cc)で流れてくる新しい案件に目を配っておくことなどを提案したかと思います。例えば朝礼でのチームの話し合いひとつをとっても、あまり奇抜なことを言わなかったとしてもチームに貢献することはできると思います。


ーー「自分にしかできないこと」にこだわるあまり、当たり前ができなくては本末転倒ですね

 どうせやるなら自分なりの付加価値を出したい、その心意気は大切だと思うので、当たり前をしっかりやるのはその通過点、という感じですね。当たり前も高いレベルになれば付加価値が生まれるのだと思います。

 広告を運用した後に作成するレポート(出稿報告書)なんかでも、自分が初めて作成した時は管理画面に出ている運用結果をただ「転載した」レベルになってしまいました。もちろん当時の僕が作ったレポートがそのままクライアントに出るわけではなく、加筆修正されて提出されるのですが、その修正された箇所を見て、自分のレポートの付加価値の低さを反省しました。

 このままではレポートを作成する意味がない……そう思って、相手の立場に立つとどんな情報が知りたいか、何が書いてあると次のキャンペーンに生かせるか、などを考えながら、受け手の視点でレポートを作成するようになりました。

 具体的には最近だと、動画のキャンペーンで視聴維持率を分析した紙を追加したり、KW別のKPIを見て良いKWの傾向の仮説を述べてみたり、など。過去レポには無いけど必要だと思われるデータを取捨選択して、自分なりに解釈を付けるなど工夫しています。レポートについては段々と加筆・修正される個所も減って自分に自信をつけることもできたと思います。


ーー目的としていたガクチカはサクラスでできましたか?

 まだ就活でガクチカとして話すレベルまでには至っていないのですが、全力で目の前に取り組むことはできています。


ーー就活においてサクラスの仕事が役立ったと思うことはありますか?

 そうですね。サクラスではマニュアルに沿って行動するだけではなく、何がクライアントさんの目標を達成するのに必要なのかを自ら考え行動しなければいけませんが、こうした経験は、就活でも自分の「自主性」を語る際に貴重な経験だったと感じます。

 自分はもともと大学でアルティメットを始めて、それは自分が好きで始めたことだからということもあって一定の自主性を発揮することができていたと思いますが、インターンで仕事で誰かのために自主的に考えて行動することで、また一段とアップデートされたようなイメージです。

 仕事における自主性ということだと、何か目標があってそれに対して自分で必要なものを考えて行動すること。そして行動してその結果をまた見て何が悪かったのかとかをもう一回分析して改善して行動する。いわゆるPDCAを回すということだと思います。自分から嫌々ではなく、積極的に行っていくわけですが、好き嫌いという次元とはまた違うことなんだと思いました。


ーー私も付属高から大学に入りましたが、渡邊さんも内部進学で大学に入られてますよね。外部から受験してきている学生と自分に違いを感じることはありましたか?

 そうですね。大学受験をしていないので知識の面では不安があったかもしれません。そういう点では、知識とは別の面を伸ばす、つまり社会働く経験を積んだり、意識やスキルの面を磨いたりすることは内部進学の学生にとっても自信になることだとは思います。

 サクラスには内部進学の人もいれば受験組もいますが、タイプは違うかもしれませんね。受験勉強を経験をしている方は集中力継続力に強みがあって、それを生かして仕事しているなという印象がある人も中にはいます。

 それも内部外部というより人それぞれかもしれませんが、いずれにしても色んなバックグラウンドの人と意見を交換したり仲良くなったりすることでいろいろな見識が広げることができると思います。内部進学者はどうしても内部だけで固まりがちなところがあるかもしれませんが、高校3年間の延長を大学でやるのではなく、新しい人たちと出会うチャンスなので、インターンでもバイトでもなんでも外への一歩を踏み出すのがいいと思います。


ーー渡邊さんご自身が大学1、2年生だった時やってよかったこと、また変えれたらよかったことはありますか?

 アルティメットを2年間目標に向かって続けられたことは良かったと思っています。高い目標があったからこそ自分もこの目標に向かって頑張ろうと思えました。色々な試行錯誤をして頑張ったことは自分の自信にもつながりました。一方変えられたら良かったなと思うことはアルティメットをしていない時間はアルバイトまた友達と遊んだりという時間で、それも大事なものではあったのですが、多すぎたかなと思うこともあります。その時間をもっとインターンや自分の将来について考え、興味のあることに挑戦し、学生の時間がある時にしかできないような経験を積めれば良かったなと思っています。


ーー最後に大学一年生や二年生へのアドバイスはありますか?

 今、自分は大学3年で、大学3年4年というのは就活をして社会に出ていく準備期間だと思っています。大学1年2年というのは自分がやりたいことをやったり、遊んだりするのも大事だと思うのですが、その中でも自分が将来どうなりたいのかということは漠然とでも考えておくと良いと思います。将来についてある程度考えを持っておけば、自分が送りたい人生を送れると思います。

 今回渡邊さんに話を伺う中で「自主性」と言ったキーワードが強調されていました。今回のインタビューは今就活、また大学生活に悩んでいる学生にとって解決の糸口になると思います。また「自主性」は就活でも大事になってくる要因であることがわかりました。サクラスに学生インターンとして入り、社会人とともに責任感を持って働くことによって「自主性」を鍛え成長することができるということが楽しみになりました。


今回のインタビューイー

渡邊樹

慶應大学法学部法律学科

2020年7月入社

(文/藤井亜実=早稲田大学文学部1年)

サクラス・インターン通信

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